人気ブログランキング | 話題のタグを見る

To Verdener

2008年のデンマーク映画、"To Verdener"(2つの世界)を観ました。




ストーリーは何とエホバの証人一家の話。サラは17歳。エホバの証人としてずっと生活して来たが、父が浮気をし、母がそれを許さず離婚する事に。家にいる3人の子供達は父が家にいる事を選び、母が1人で家を出る事になる。

父とサラ、エリザベス、オーゴスト4人の生活が始まる。サラにはテアという同じエホバの友達がいて、一緒に飲みに行き、そこでサラはタイスと出会う。デートをした時に年齢の話、誕生日の話をした時に、誕生日は祝わないと言ったところで、自分はエホバだとタイスに伝える。タイスは驚きを隠せない。そこで1年会っていなかったサラの兄に会う。なぜ会っていなかったのか?とタイスは聞くが、サラはただエホバに逆らう事をし、退会した。家族は兄と話をしてはいけないと伝える。

タイスとサラの恋愛は深まるばかりだが、外泊した事を友人テアに告げ口されサラはエホバと家族を選ぶか、恋人を選んで全てを捨てるかと言われ、タイスと別れる事にする。

しかし諦め切れないタイスはサラを理解する為にエホバの仲間に入る努力をする。サラは母親と住むという形を取り、タイスと同棲しカモフラージュとして地下に自分の部屋を作り一緒に寝ていない事をアピールするが、嘘はバレてしまいサラはエホバから退会させられる。妹エリザベスはサラに怒りを覚え、口を利こうともしない。

兄は孤独で、エホバに戻りたいと言い出す。サラは泣いてタイスに上手くいかないと告げる。そんな時サラの友達テアが交通事故に遭い輸血拒否をした為亡くなり、サラと兄は葬式に無理矢理参加した。父に、縁を切ったのに勝手に参加し顔を出すなんて自己中心な人間だと責められる。

『私の事愛してる?』

父に聞くサラ。父は勿論と答えるが、サラは、

『私以上に神を愛してる?』

と聞く。父の答えを聞いて、サラは自分の進む道に迷いがなくなった。本当にエホバから離れる事を選んだ。

**********

とても重いテーマです。宗教がらみですし、何と言ってもエホバの証人です。理解出来ない人が多いでしょう。

実は私、入居者さんにエホバの証人の人がいる為、少しは知っています。でも納得がいかない事ばかり。本当に本当に信仰しているのなら、なぜそういう行動を取るのだろう?と思う事が多いのです。

この映画を観てもそう。父はかなり信仰心が高いのに浮気をしている。離婚が許される事は別の人と性行為があった場合。そもそも夫婦以外で性行為を持つ事は許されるのか?謝ればエホバから追い出される事はないのか??何とも緩いルールだなと。

なのに結婚前の性行為は禁止。エホバ同士でなければ結婚が許されないかもしれませんよね。女性はともかく男性達は結婚まで守っているのでしょうか?

お祝い事は一切しない。誕生日もクリスマスも祝わない。食事の際、乾杯もしない。ハルマゲドンによってエホバの神に背くものには死が待っているなど。

映画の中でタイスとサラが口論した時、サラは『神を信じないあなたにはわからない。』と言った時、『あぁ、オレにはわからない。オレはオレたちを信じるから。』と言いました。自分の人生、宗教ではなく自分の意志で決める事。デンマーク人はプロテスタントだけど、神を信じているわけではない。自分自身を信じているのです。

私は宗教に限らず、自分の意志で決められない人が苦手です。宗教をバックグラウンドとしている人は、自分で守る分にはいいが他人にそれを要求する事で嫌悪感が生まれるのだと思います。

私のところの入居者さんもそう。自分が一番正しいのです。でもクリスマスソングは歌ってる。クリスマス会に参加して食事をしている。ホームからのクリスマスプレゼントを受け取っている。乾杯もしている。離婚もしている。(旦那の浮気)

女は人生で夫以外の男性と寝てはいけないという彼女の考えがあるので、再婚している女性は全員売◎婦と言葉を選ばずはっきり言います。←私もその1人か?(^^;;;

前に『クリスマス祝わないのにどうしてプレゼントは受け取っていいの?』と聞いたら激怒。当然どうして?という私の疑問への答えはなく、ただ彼女を侮辱した私が悪いらしく、正しい行いをするべきだと言われました。(苦笑)

でも彼女の誕生日の日、家族がやって来てプレゼントあげていたんだけど…。勿論商品は誕生日プレゼントという名目ではないだけです。

そういうのってありなんでしょうか?何か嘘っぽいと思ってしまうのです。彼女は自分が一番正しく周囲にこうしろ、と命令する。だからみんなに嫌われています。でも私はいつも誰にでも優しい。だから私を嫌う人はいないと言っていたので、その勘違いは宗教からの教えなのか、本人の性格なのか、本当に不思議です。

そういえば彼女にはたくさんの子供がいるのですが、1人疎遠の人がいるそうです。エホバじゃないから、という事で。映画を観て意味がわかりました。家族の繋がりも宗教が決めるという事ですよね。宗教を背負うと血の繋がりの薄さを感じます。

映画はとても素晴らしいです。色々な事が学べます。ただ私は一生エホバを理解する事はないだろうと実感しました。

by Helgashjemdk | 2015-01-21 09:45 | 映画 | Comments(0)