嫌と言える自由

デンに住んでから他人の心の裏を読む事が一切出来なくなりました。相手に『必要ない』と言われたらその通り受け取ります。でもデンマークではそれが普通。日本のように断っているのに実は希望しているなんて卑しいし、そう思うならそう言えよ!と思ってしまいます。

こういうところが既にデンマーク人化していると感じます。日本に行くとそうしてはいけないと思いつつも、自分が想像する相手の裏の心が間違っていたら、どっちみち結果的には失敗に終わるからです。

私の母はまさに発言に裏がある人。とても会話が大変です。

『何か買って行くけど何がいい?』

母を訪ねる時には必ず聞きます。はっきり言われた方が有り難いからです。そう聞いたからには多少高くても常識的な範囲の出費なら受け入れます。←ジャムのように常識の範囲を超えた『重さ』と言うのもありましたが。💦

いつもケーキとかアイスとかを持参します。何が欲しいか聞きますが、母の答えは毎回、

『そんなのいらないから手ぶらでおいで。』

です。そして手ぶらで行くと、

『本当に買って来なかったんだ?』

と言われます。親子なんだから普通はそのまま取るでしょ?!まして母は高齢です。何か買って行ってもすぐに食べられるわけではないので、冷蔵庫で保存して腐る事も多し。いらないならいらないと判断しますよ。

夫もこれにはびっくり。これが典型的日本人の会話で、いらないと言われても本音は何か持って来いなんだ、と夫は理解したので何か必ず持って行こうと言います。

今度は持って行くと、いらないって言ったのに!と言われます。どっちみち怒られるなら持参して怒られる方がマシだという結論に達しました。(笑)

これ、本音は言わなくてもたくさんの日本人が同じように思っているのだと思います。特に大人なら絶対にそうして欲しいと他人には言わないでしょう。でもあなたが私の本音を読み取れないように、私もあなた達の本音は読み取れません。言葉があるのに利用しないなら他人に誤解された読み取り方をされても文句は言えません。口があるのに言葉にしなかった自分が悪いと思えないのでしょうか。

デンマークではTVドラマの"Badehotellet"という昔の時代の海岸にあるホテルのドラマが大ヒットし観ている人達がたくさんいました。ただし女性、そして中年が盛り上がっているドラマです。仕事時間に放送されていたので私は観ていませんし、夫も苦手なジャンルです。

しかし友達はみーんな盛り上がっていました。昨日会ったビアギットとスーシーも最終回が残念と言っていました。

『うわー、私あれ苦手。何か世界違う。』

という私に対して、

『あんた若過ぎて良さがわからないんだよ!』

と言われました。私も中年ですけど、あの良さはわかりません。年齢じゃなくて好みだと思います。でも嫌いなものは嫌いと言えるし、相手の意見も理解出来ます。

私は俳優Mads Mikkelsenの大ファンです。かなり昔からですからDVDもほとんど持っています。そんな私が職場の仲間にMads大好きと言うと、

『えー?!彼?!あの人ってヘビみたいじゃん!』

って言われました!😱

ヘビって………。ヘビ顔って意味なんですけど、そんな表現初めて聞きました。それだけ気持ち悪いって意味なんですけど、好きって言う人の前でそんな事普通に言えちゃうんですよ、デンマーク人。

でも私は笑ってしまいました。確かに美形じゃないけど、あの表情がセクシーなんだよーと言うと、わからないと悩んでいました。

こういう会話、日本人同士で日本語ですると、かなりきっついと思うのです。例えばですけど、

『私ロック大好き。スッキリする。』

『えー、私ロックは嫌い。だってうるさいじゃん。』

とか。言い方を変えたら良いだけかもしれません。『私はあんまり聴かないなー。』とかただ苦手と伝えるとか。でも私ははっきり嫌いなら嫌いと言われる方が好きです。だってただ聴かないだけなら、良さを理解していないだけな人かもしれないと思うから。

ただ嫌いなら嫌いな理由をはっきり説明して欲しいです。例えば赤ワイン、フランスじゃなきゃダメと言うなら、なぜ他はダメなのか知りたいからです。何となくでは説得力がないし、共感も出来ません。

何となく、でも掘り下げると理由はいくらでもあります。自分でどうして苦手なんだろう?って自分に問いかけたら理由って出て来ます。

さらに例ですが、私はデンマークのフュン島が苦手です。住んでいた事もありますが本当に苦手です。夫も苦手だと言っていました。なぜかと二人で考えたのですが、単に島の端に行かないと海がないからです。歩いて海に行けるような場所だとフュン島内は田舎過ぎて住むには厳しい。ほどよい環境で海が近い、それが理想なのでフュン島にいると何となく閉じ込められている気がするのです。

だからと言ってフュン島をけなしているのでもなく、そこに住む人達をバカにしているわけではないのです。私達のようにさらに狭い島に住み、方言を話す地区は他の街にいるデン人は、『良くあんなところに住めるな。』と思っているはずです。それを南デンマーク人は誇りに思っています。でも私達は『コペンなんて住む場所じゃない。』とか平気で口にします。それはコペンに住んでいる人達がどうと言うのではなく、『私達が』住めない場所だと言っているだけなのです。

こういう事って多分デンマークでも他の地区では相手の事を気にして本音を言わないかもしれませんが、私の周囲は全くそういう事を気にせず言いたい事をはっきり言う人達が多いので、それに慣れ切ってしまいました。

ただ日本に帰った時、私は100パーセント毒舌で他人の気持ちが理解出来ない空気が読めない人間になっていると思います。もう日本では生活出来ませんね…。(苦笑)

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by Helgashjemdk | 2017-03-14 02:54 | つぶやき | Comments(0)