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ラースさんとのお別れ

ラースさんは火曜日にこの世を去りました。95歳、誕生日まであと少しでした。

介護の仕事をして、何人もの入居者さんを見送って来ましたが、ラースさんの亡くなる過程は私の現場では良くあるパターンだった事もありだいたいいつくらいに亡くなるか検討がつきました。

ラースさんの最後の夜は私の勤務日でした。私の勤務中に亡くなるだろうと思った事もあり、家族が帰り、赤十字からのボランティアさん(1人で逝かせない為に夜中に見守りをしてくれる)が23時に来るまで、代理の子と交代してラースさんのそばにいました。

無呼吸が45秒から1分超えになった時から、私は延々と意味のない話やヨウムと話をして声を聞かせていました。その度に呼吸が少し強くなるのです。もう次の日は来ないと思った事もあり、私達みんなラースさんの事が好きだったとか、一緒に楽しく過ごした事とか、ラースさんが苦労して大変だった時代を褒めたりとか、そういう事を言っていたら、ラースさんの目から少しだけ涙が流れました。

死が直前に迫っても、耳が遠かった人でも、最後は本当に聞こえているんですよ。これは人生最後の神様からの贈り物なのかもしれませんね。

ラースさんは夜中ではなく、早朝に亡くなりました。正直、あの状態で良く何時間も持ったな、と思いました。さすがラースさん、強い人でしたから。

私はラースさんが好きでしたけど、亡くなって特に悲しいとか思いませんでした。心の準備が出来ていた事と、ラースさんの状況を知っていたらもう限界だとわかっていた事と、死に慣れた事もあり、自分でも驚くくらい冷静でした。

何となくですが、『あと2週間くらいしか持たないと思う。』と感じてしまうのです。それがここ立て続け入居者さんの死を予測出来てしまうのです。2月から新しい仲間(年上の男性)と仕事した時に、『ラースさんは2月中に亡くなると思うから、あなたが1人の時じゃないといいね。』と言っていました。『え?そうなの?』と言われたので、『私の予想ではあと1週間程度かも。でもラースさん強いから2週間かもしれないし、急に心臓が止まる事もあるから数日後かもしれないし、こればっかりはわからないね。』と言っていました。

結果その話から1週間後でした。でも心の準備が出来た事で最後の夜は後悔しない時間を作れました。だからすっきりしています。

Pippiは今までボランティアで来てくれた女性のところに引き取られました。きっと良い環境で元気に育ってくれるでしょう。

楽しい時間をありがとう!ラースさんお疲れ様でした。

by Helgashjemdk | 2017-02-19 20:03 | 仕事 | Comments(0)