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共依存の怖さ

私の職場には一応入居者さんに『担当職員』という制度があります。早番と遅番に1人ずつ。基本的に早番が介護の仕方を決めますが、就寝介助は遅番が決めます。おむつのサイズなどはおむつ担当がいてその人と相談して決めます。そのように流れが決まっていますが、そんな事にまで口出しをして来る家族がデンマークにもいるのです。

私のユニットにはカレンさん(仮名)という90歳を過ぎた入居者さんがいます。彼女には50代の娘さんがいて、この2人はお互いに依存しているのですがその度合いが異常とも言える程なのです。

娘が来ない、娘に電話しろ、とコールをする。←起きた時からこの話。

娘から連絡が来ないと不安がる。カレンさんは電話を自分でかけたり受けたり出来ないので電話はない。当然娘から電話が来る事はない。

娘が来ない、何かあったに違いない。警察に電話しろとコールする。

共同ルームにいてもコールする。(腕にコールボタンを時計のようにしている。)

コールの意味が理解出来ていないので押しまくる事がある。←撤去したいがまだ情報不足のため出来ていない。

夜中退屈だとコールして、おむつを引きちぎる。

一般的にこれは良くある事だと思いますが、それに対応したくても娘さんが理解してくれない事がほとんどです。

コールに関しては絶対撤去反対。なぜなら娘さんも使用するから!!

そう、娘さんは仕事が終わると毎日やって来ます。そしてカレンさんが就寝までずっとそばにいます。そして娘さんがコールして、

『母がトイレに行きたいって!』『母が疲れているから今から寝かせて!』

などなど言って来ます。そう、彼女は母親中心、私達がいくら忙しくて他の人の介助をしていても、『私の母が優先』なタイプなのです。遅れると文句、しまいには自分で介助して後から色々言ってきます。

ちなみに私はこの人の担当です……。でもこういう家族、日本に多いので慣れています。

しかーーーし!この娘さんの問題は、うちのホームの看護師をすっ飛ばして、勝手に医者と連絡を取って薬を変更させたり、自分で薬を追加してカレンさんに飲ませたり、しまいには入院させたり、夜に医者を呼んだりしてしまうのです!

少し前、カレンさんは風邪気味でした。とは言ってもみんな風邪をひいていた時期だったし、ちょっと疲れて熱っぽい程度だったのですが、娘さんからするともう大病状態。熱は37,4℃だったので少し早めの就寝介助をしたのですが、その日の夜、医者に電話して『母が肺炎になっているかもしれないから来てくれ。』と言ったそう。もう一度熱を計ってくれと言われたのですが、37,0℃…。当然夜の21時に医者なんて来ませんよ。多分医者も迷惑している事でしょう。

私が休みの日に肺炎の薬というのが追加されていました。どう考えても咳も大した事ないし何も聞こえないのに肺炎肺炎!と言って娘は騒いでいる。カレンさんの呼吸がおかしいと昨日も医者に電話して来るように言っていました。

そう肺炎の薬が昨日で終了だったので、追加させたかったのでしょうね。そして医者が来るまで待つと言っていました。23時に私が帰る時まだ医者は来ていませんでした。多分夜中になるというのに、それでも待っていると。夜勤もいるのに全く信用していません。

一般的には私達が医療の必要性があると判断して看護師に連絡します。そして看護師から医者に連絡をするのが基本です。私達職員は直接医者に連絡する事は禁止されています。全てを飛ばして救急車を呼ぶ時は本当に誰が見ても救急車が必要な時のみです。←確実に骨折が見てわかる時や脳梗塞だとわかる場合。

熱が40℃でも職員→看護師→救急車か医者で、看護師がどうするか判断するのです。

なのに娘さんは全部すっ飛ばして自分で医者に連絡し、勝手に色々と決めてしまうのです。入院だってする必要ないのに、入院させて調べろとか、すぐに尿検査しろとか(月に1回くらい勝手に申し込んでいる)とにかく母親であるカレンさんを病気にさせたがります。医者が大丈夫と言っても次の問題を探しては繰り返しです。

これってミュンヒハウゼン症候群ですよね。カレンさん自身を傷つけてはいないけど、カレンさんが病気という項目付けして病院やホームや役所までを相手にして過去何度も口論、面談など繰り返しています。

リーダーも仲間も誰1人として娘さんと上手く付き合って行こうとは思っていません。私は結構責任を持って対応していますし、リーダーからもダメな事はダメと言っていいと言われています。でも言ったところで娘さんは聞きません。その場では納得した事を言いますが、数日後には繰り返しです。

依存している人は自分でおかしいと思っていないのでしょうが、これは異常行為です。ここ数日、その状況が悪化しているので、本当に病院に行った方がいいのは娘さんの方だと思います…。

by Helgashjemdk | 2017-02-16 00:02 | 仕事 | Comments(0)