世界一幸福な国の裏事情
日本人はどうしても他人と比較してしまいます。自分の方が相手より少しでも良いと思える部分が欲しい。たまに『うらやましがって欲しい』と思うような事を言う人がいますが、『すごーい!』『いいなー。羨ましいー。』と言われると『そんな事ないよー。』と卑下しながら嬉しい気持ちになってしまったりします。
言語と文化の違いもありますがデンマークでは『良かったねー!』と相手に共感します。本当に良かったねと思う時も思わなくても同じ言葉を言います。それは自分はともかく相手が嬉しいのならそれは良かったと思うからです。
職場の仲間に『今年は日本に帰らないの?』と聞かれて『取りたい時に休みも取れないし、お金もないし、今年は無理だね。』と言うと、『家買ったらリフォームにお金かかるでしょ?』と言われたので、『そうそう。旅費まで回らないしねー。家は少しずつ良くなってるけどね。』と言った時に返って来た言葉は忘れません。
『全部は手に入らないからね。でもリフォーム順調なら良かったじゃない!』
日本人同士だったら私は相手に向かって多くを求めるなとは言えません。(苦笑)でもこれデン語だからすんなり受け入れられるのかもしれません。そう、全部を求めてがっかりするより、良い部分に焦点を当てればいいだけなんです。
幸せって何でしょう?日本にいた時は家族や夫婦や友達と『自分の幸せについて』話した記憶がありません。自分にとっての幸せを理解していなかったので話題にもならなかったのかもしれません。元々物欲がない私ですが、本当に欲しいものを手に入れた時は大切にする方です。でもお金や物では幸せを買えない事は知っています。私にとって幸せは、職場でもプライベートでも自分自身が素のままでいられる環境です。自分の言いたい事を言えるって最高です。心を着飾る必要はない。友達と口論もするし職場の仲間とだって口論します。面と向かって言いたい事を言って相手を理解し合える環境は、ストレスを減らす事が出来ます。
日本の場合、満足してしまうともう終わりな感じがして、また次を求めてしまいます。自分自身に『良く頑張った。』と褒めるより、『まだ頑張れる。』と自分にプレッシャーをかけてしまいます。でもそれをデンマークでやると、『あんた、バカだね。そんなに実力発揮すると期待されて重圧かかるよ。ほとほどにしな。』と言われます。(笑)
介護現場で仕事をしている私は、日本人、デンマーク人の人生最後の時間を見ています。福祉大国なんて嘘です。日本人が想像している環境ではありません。いえ、設備やシステムはまだデンマークの方が充実しているかもしれませんが、最後に欲しいものは『物』じゃないはず。やはり『心のふれ合い』だと思います。デンマークの方が孤独な人が多いです。日本のように子供が親の面倒を見るという構成がないから、本当に最後まで孤独な人もいます。家族が多ければ多い程問題も多く、金銭的に揉める事も多いです。
デンマーク人が日本人よりストレスがないとは思いません。気候のせいもありますが、離婚やしつけの問題で子供が甘やかされていたり、10代で鬱病や引きこもりだっていますし、アルコール中毒者はたくさんいます。でもほとんどの人は、自分の人生はたった1度、楽しく生きる為に努力しているのです。だから本当の孤独感を知っているのはデンマーク人の方だと思います。
幸せの基準は他人と計る事は出来ないです。どんな環境でもデンマーク人の方が『人生だいたい満足』と思っているだけでしょう。ちなみに私の夫はいつも幸せです。朝天気が良ければ太陽が出て良かった、雨だったら芝生に良かった、コーヒーが美味しかった、夜はソファに転がってチョコレートを食べてリラックスして、今日も良い一日だった、と言える人。怒る時間があれば笑った方がいいって言える人、本当に存在するんですよ。
9月は仕事一杯だし、日本にいた時と大差ないくらい忙しいです。それでも仕事とプライベートの気持ちを切り替えて休日はリラックスするようにする。ちょっとした事でも笑ったり楽しむ事が出来たら、『今日は良い一日だった。』と思ってまた明日頑張れます。
私もこの国で幸せかと聞かれたら、日本食もないし、自分の家族もそばにいないし、日本語を話す機会も全然ないし、大好きなカラオケもないけど、それでも幸せだと言えます。ちなみに私は南デンマーク在住ですが、ここはデンマークで一番愛国心というか南デンマークとしての誇りが高く、他の地区を蹴落としてでも私たちが一番!と言ってしまう程の人たちが多いので、その強い個性の中で生活している事に誇りを持っています。(笑)
by Helgashjemdk | 2013-09-12 05:11 | つぶやき | Comments(3)
この記事、とてもとてもいいですね♪
海外の事情をラジオやネットで見ていると、日本人はいつからこんなに幸せに鈍感になったのだろうと思い知らされます。かつて「妖精の国」とも呼ばれた日本。微笑みの日本。。。
そして同時に、海外の人【主に西欧諸国ですが】たちの、ある種の享楽的な「しあわせ感」に違和感をも覚えます。
そんなこと共を思い起こしながら、この記事はとてもバランス感覚のよい「幸福感」を感じます。
心和むほくほく笑顔の心地よいしあわせがいいです。
ツイッターにてシェアさせていただきますね。(^^)
国連が発表する幸福ランキングや男女平等ランキングなどは白人の価値観を元に作成されているので何の意味もありません
この事はYouTubeで見れる竹田恒泰さんと有本香さんが出演している「虎ノ門ニュース」というニュース番組と、同じくYouTubeの「松田政策研究所チャンネル」の上島嘉郎さんが出演している回で詳しく説明していますので是非、一度ご覧になって下さい
リンクはこちらからどうぞ
松田政策研究所チャンネル→ https://youtu.be/FGil6vI6O5M
虎ノ門ニュース→
https://youtu.be/-K6qpVQqr50
このコメントがあなたの役に立ったら幸いです